type U に最適な省電力設定を試す [type U を使う]
こんにちは、担当者 T です。
type U のスタミナは、カタログ値で HDD モデルが約 3.5 時間(大容量バッテリー装着で約 7 時間)、<ゼロスピンドル>では約 4 時間(大容量バッテリーで約 8 時間)となっています。この数値は最近のモバイル PC としては突出したものではないながらも、2 セルしかない標準バッテリー(大容量バッテリーでも 4 セル)としては健闘している、ということは、以前のエントリーでご紹介しました。
ただ、それでもやはり実際に使っていくうちに「もう少しスタミナがあったら・・・」とつい思ってしまうのが人間です。それならば、省電力設定をチューニングすることでもう少しスタミナを伸ばすことができないか?ということで、type U のスタミナ設定を詰めてみました。
VAIO の省電力設定は「バイオの設定」の「VAIO 省電力ビューア」から確認・変更することができます。10 種類の設定値がプリセットされていて、使いかたに応じて適切な設定を選択することができます。
デフォルトは「VAIO 標準設定」ですが、これはバッテリー動作時にもパフォーマンスとスタミナのバランスをとった設定になっています。試しに手持ちの<ゼロスピンドル>(Core Solo U1400 搭載)を「VAIO 標準設定」でバッテリー駆動を行ってみたところ、バッテリー残量 100% で残り「2:55」と表示されました(ちなみに、今回使用したバッテリーは新品ではなく、type U の発表時から約 2 ヶ月間毎日使用したもので、若干劣化している可能性があることをお断りしておきます)。
また、「VAIO 標準設定」のまま、消費電力に与える影響が大きいと思われる液晶ディスプレイおよびワイヤレス LAN の設定を変更してみました。ワイヤレス LAN スイッチをオフにすると残り「3:11」に、(ワイヤレスをオンに戻して)液晶の輝度を最低まで落とすと「3:19」まで伸びました。
ちなみに、液晶ディスプレイの消費電力についてお話しすると、従来の蛍光管バックライトを使用したディスプレイは電力効率が悪く、輝度を最低にしてもそれほどスタミナが伸びなかったのですが、type U や type T に採用されている白色 LED バックライト方式は電力効率が高く、輝度と消費電力が比較的リニアに関係するため、輝度を下げればそれだけダイレクトに消費電力が抑えられると言われています。
このように、「VAIO 標準設定」で液晶やワイヤレス LAN の消費電力を落として使ってもいいですし、「VAIO 省電力設定」から「VAIO スタミナ設定」または「VAIO スーパースタミナ設定」を選択すれば、それだけでも自動的に最適なスタミナ設定になるのですが、この画面で「詳細設定」ボタンをクリックすると、さらにきめ細かい設定を行うことができます。
「詳細設定」ボタンをクリックすると、「電源オプションのプロパティ」が起動し、電源接続時とバッテリー駆動時それぞれに各デバイスの電源管理を細かく指定することができます。
例えば、下記のようにバッテリー駆動時にはできる限りの電源を落とした状態では、
画面の明るさ | Level 1(最も暗い) |
液晶の省電力 | オン |
画面の色 | 最高(32 ビット) |
モニタの電源を切る | 3 分後 |
CPU 制御 | 省電力優先 |
i.LINK ポート | 電源オフ |
メモリースティックポート | 電源オフ |
オーディオ | 電源オフ |
タッチパネル節電 | 5 秒 |
CF カード | 電源オフ |
ワイヤレス LAN | 節電 |
ネットワーク(LAN) | 電源オフ |
Windows から認識できる残りバッテリー駆動時間は「3:41」まで伸びました(本当は画面の色数を 16 ビットまで落としてみたのですが、なぜかかえって残り時間が短くなってしまったため、32 ビットに設定しました)。
ただ、この状態では液晶はかなり暗く、ワイヤレス LAN や CF スロットの電源も切っているため通信が行えず、あまり実用的ではありません。というわけで、液晶の輝度を若干上げ、CF 型 PHS カードを使用することを想定して
画面の明るさ | Level 2 |
液晶の省電力 | オン |
画面の色 | 最高(32 ビット) |
モニタの電源を切る | 3 分後 |
CPU 制御 | 省電力優先 |
i.LINK ポート | 電源オフ |
メモリースティックポート | 電源オフ |
オーディオ | 電源オフ |
タッチパネル節電 | 5 秒 |
CF カード | 電源オン |
ワイヤレス LAN | 節電 |
ネットワーク(LAN) | 電源オフ |
↑のような設定にすると、残り時間は「3:27」まで減ったものの、普段の使用にはこのくらいのバランスが良さそうです。
さらに、ここで画面の明るさを「Level 3」に変更すると、残り「3:18」になりました。type U の液晶ディスプレイは屋外での使用を想定して輝度がかなり高くなっているため、明るさを最大にしていると屋内などではむしろ明るすぎると感じることもあるかもしれません。バッテリー駆動時には Level 3~4 くらいに落としたほうが、むしろ明るさとスタミナのバランスは良いでしょうね。
人によってはメモリースティック Duo スロットは頻繁に使うため電源を落としたくない、とか、タッチパネルの省電力設定を行うとレスポンスが悪くなる、というように、電源設定は使いかたや好みによってかなりバリエーションが広いものです。プリセットの電源設定だけでも幅広い方に活用いただけると思いますが、突き詰めると自分に最適なチューニングも可能です。今回の例を参考に、ご自分に最適な省電力設定を見つけていただきたいですね。
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