type U のスタミナ [ハードウェア]
こんにちは、担当者 T です。
type U のバッテリー駆動時間は、ご存知のとおり標準バッテリーで最長約 3.5 時間、大容量バッテリーで最長約 7 時間となっています※。毎日ちゃんと充電して、外出先で必要なときに使うのには標準バッテリーでも十分に使えるくらいのスタミナはありますが、8 時間とか 10 時間といったロングスタミナのモバイル PC が増えてきている昨今では、割とふつうな印象を受ける方も少なくないと思います。
が、文庫本サイズで約 520g、しかもちゃんと Windows XP が快適に動作するスペックであることを考えると、最長約 3.5 時間というスタミナは決して短くはないはずです。
※Core Solo プロセッサー搭載モデルの場合。
バッテリー駆動時間を伸ばすには、PC 全体の消費電力を下げることとバッテリー自体の容量を増やすことの 2 つのアプローチがあります。が、どちらも(省電力化もバッテリー容量の増加も)PC の性能向上に比べると技術的な進歩のスピードがゆっくりとしている(というより、一般的な技術革新のスピードと比べて PC の性能向上のスピードが速すぎるのですが)ため、通常はバッテリー性能というのは地道に、着実に進歩しているのが現状です。
これに対して、最近の PC の高スタミナ化のアプローチは、どちらかというと「物量で攻める」というような、とにかくバッテリーをたくさん搭載できるような設計にする、という方向性です。通常の PC のバッテリーパックというのは、バッテリーセル(乾電池のような、筒状の電池)を複数内蔵するのが一般的で、セルを「何本内蔵するか」によって大まかなスタミナが決まってきます。例えば、現在の type T では、標準バッテリーでは 6 セル、大容量バッテリーでは 10 セルものバッテリーセルを搭載してスタミナを確保しています。
いっぽう、type U のバッテリーは標準で 2 セル、大容量で 4 セルという、モバイル PC としては少なめのセル数しか内蔵していません。これはもちろん、スタミナと軽さのバランス(バッテリーセルの搭載数を増やせば、当然それだけ重くなる)を考えて最終的に決定されたものですが、セルが少ないからといってスタミナを諦めているわけではなく、その範囲内で電力を極力効果的に使えるよう努力しています。
type U と type T で、バッテリーセル 1 本あたりのスタミナを比較してみると、以下のようになります。
※ともに Core Solo プロセッサー搭載モデルの場合。
モデル | バッテリー | セル数 | スタミナ(最長) | 1 セルあたり |
---|---|---|---|---|
type U | S バッテリー | 2 本 | 約 3:30 | 約 1:45 |
L バッテリー | 4 本 | 約 7:00 | 約 1:45 | |
type T | S バッテリー | 6 本 | 約 10:00 | 約 1:40 |
L バッテリー | 10 本 | 約 16:30 | 約 1:40 |
トータルのバッテリー駆動時間で比較すると type U と type T ではけっこう差がありますが、バッテリーセル 1 本あたりのスタミナでみると、互いに拮抗していますね。
ディスプレイサイズや DVD ドライブの有無、本体に搭載されている端子の数など、type U と type T では性格も目指す方向性も異なるため、単純に比較はできませんが、こうしてみると type U のスタミナ性能もかなり「がんばっている」と言えるのではないでしょうか。
一般的にモバイル PC の省電力性というと、どちらかというと CPU の消費電力ばかりが注目されがちですが、現在のモバイル PC では CPU やチップセットだけでなく、液晶ディスプレイやワイヤレス通信などひとつひとつのデバイスを可能な限り省電力化したり、使っていないデバイスの電源を個別にオフにするなどのアプローチで、まさに「塵も積もれば山となる」的な努力で高スタミナを実現しています。外出先でバッテリー駆動する使いかたが特に多いと思われる type U や type T の省電力性などは、中でもその最たるもの、と言えるのではないでしょうか。
※本エントリーに記載されているバッテリー駆動時間は、仕様選択範囲における最長の駆動時間です。選択する仕様によっては、駆動時間は短くなります。
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